法人代表挨拶
特定非営利活動法人芽吹の代表をしています飯田 覚です。
当事業所は2008年(平成20年)3月に民家を借りた小規模通所介護施設を開設しました。
それまで私は医療機関や障がい者施設、介護施設等で看護師などに従事していました。最後に勤めていた介護老人保健施設では、多くの利用者の希望は「自宅に帰りたい」でした。自宅で適宜わずかな見守りや支援があれば暮らし続けられたのではないだろうかと思ったりしていました。
それなら自分が住む地域、在宅に引き付けて介護サービスを受けなければならないとなった時、利用したいと思える施設や事業所を選ぶことができるのだろうか。介護はほとんどの人が家族を含めて、何らかのサービスを受ける可能性があります。介護の現場を知っている者として、人材不足もあって各施設のサービスの質にバラツキがあり、利用したいと思える事業所を探すのに苦労します。そもそも質の高い、標準化されたサービスを提供する所はあるのだろうか。
将来の自分や家族が介護で路頭に迷わないために、私やここで働くスタッフが弱者の身になって、自分がしてもらいたいサービスを提供したいという思いを共有して現在に至っています。その思いを共有した創設からのスタッフは私を含めて5名が現役のままです。
2014年(平成26年)10月、開設以来培ってきた理念と経験を活かして現在の地に新築移転しました。交通のアクセスも良く、敷地面積は従来の3倍、建築面積は2倍になりましたが、利用者定員は11名から14名とわずかに増えただけです。利用されるお一人お一人の個別性に配慮したケアを提供するためには大幅な定員増は控えなければならないからです。
自然に囲まれた環境はご利用者本人を安心させるだけでなく、ケアするスタッフも落ち着いたサービスを提供できます。利用されるご本人とご家族がともに安心でき、穏やかな生活が続けられることで、介護されているご家族の介護負担を少しでも軽減できれば幸いです。